Business Central Ver26登場:Copilot進化と実務に効く注目アップデート
- takutofukunishi
- 5月7日
- 読了時間: 3分
2025年4月にリリースされたWave 1(バージョン 26)は、AI/Copilot機能の拡充、運用管理機能の強化、帳票・データ分析の進化、開発者向け拡張性の向上など、ユーザーと開発者双方にメリットのある大規模アップデートです。この記事では、主な新機能・強化点をセクションごとに解説します。
1. AI/Copilot 機能の拡張
1.1 Sales Order Agent の商用プレビュー
Sales Order Agent は、顧客メールからの受注処理をAIで自動化する機能で、オーストラリア、カナダ、英国、ニュージーランド、米国などのリージョンで商用プレビューとして利用可能です。
メール内容を解析し、顧客の特定、アイテム在庫確認、見積・受注作成、PDF生成までを自動化し、すべてのやり取りをBC上で追跡できます。
1.2 Autofill Fields と Summarize Records
Autofill Fields with Copilot:取引や明細ページ上の入力可能フィールドに対し、過去の使用頻度やAIが推奨する値を自動提案します。提案は採用・破棄可能です。
Summarize with Copilot:顧客やアイテム、受注などのレコードを、FactBox ペイン内で要約表示。役割に応じた重要情報を抽出し、関連データへのナビゲーションもサポートします。
2. 管理・運用(Governance & Administration)の強化
MultiSubnetFailover オプション対応:高可用性を求めるオンプレミス環境向けに、SQL 接続での MultiSubnetFailover パラメーターをサポートしました。
Enhanced Index Troubleshooting:インデックスに関するトラブルシューティング機能が強化され、パフォーマンス問題の原因特定を効率化できます。
プレビューサンドボックス環境の提供:Release Wave 1 向けの Preview Sandbox が利用可能となり、新機能を本番適用前に検証可能です。
3. 帳票・データ分析の進化
PDF post-processing:帳票PDF出力後にウォーターマーク追加などの後処理を管理者権限で設定可能に。
レイアウト検証機能:Word レイアウトのエラー検証を管理者が行えるようになり、配布前のトラブルを低減します。
レポート&リクエストメタデータ取得:帳票設計時にメタデータを参照しやすくなり、カスタマイズ効率を向上します。
Enhanced Financial Reporting:部門別比較や期間集計など、財務レポーティング機能が拡張されました。
4. 開発者向け拡張性の向上
RecordRef.SetAutoCalcFields メソッド:RecordRef を用いたレコード操作時に、自動計算フィールドの制御をAPIレベルで指定可能になりました。
完全 AL ベースの継続:Business Central は 11 回目のフル AL ベースリリースとなり、旧 C/SIDE(C/AL)は完全非推奨です。
G/L 伝票集計エンジンの拡張:従来の Invoice Post インターフェースに代わる、拡張可能な新 G/L 集計エンジンが必須となりました。
5. アップグレードと導入準備
アップグレードパスの概要:バージョン 14(BC Spring 2019)以降から順次移行、バージョン 25→26 の直接アップグレード経路も提供されています。
システム要件:オンプレミス版の最小ハードウェア/ソフトウェア要件は Microsoft Learn にドキュメント化されています。
環境更新の柔軟な管理:管理センターでのメジャー更新スケジュール設定機能が一般提供され、2025年8月31日までの期間内で更新日を指定可能です。
まとめ
BC 2025 Wave 1(Ver 26)は、AI/Copilot、運用管理、帳票・分析、開発者拡張、アップグレード面で大幅な強化が図られたリリースです。
導入にあたっては、プレビューサンドボックス環境での検証、アップグレードパスの確認、運用管理機能の習熟を進めることで、スムーズな移行と活用が実現できます
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